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詩篇34篇 [説教]

「ダビデによる。彼がアビメレクの前で気が違ったかのようにふるまい、彼に追われて去ったとき」詩篇34篇タイトル

 イスラエルの王になったダビデという人物は、何も悪い事をしていないのに、彼の前の王だったサウルから命を狙われました。神様の国、イスラエルの王から命を狙われ、神様を信じる国の人々が、自分を殺すために探し回っている。

 想像するに、これは彼の信仰的にも、非常に困難な時であったことでしょう。自分は国を愛し、神様を愛し、戦ってきたのに、神様の民から命を狙われているのです。

 その時彼は、敵であったペリシテ人の王、アビメレク(アキシュ)に助けを求め、彼のもとへ行きます。敵の敵は味方、という訳ですね。

 しかし、そこにつくと、ペリシテ人達は口々に言います。「こいつはこないだ、自分達のペリシテ軍の英雄、ゴリアテを倒したダビデじゃないか。イスラエルでは「サウルは1000人を倒したが、ダビデは1万人を倒した」と言われているそうじゃないか。」

 それを聞いたダビデは非常に恐れ、ペリシテの王アキシュの前で、気が狂ったふりをします。

 「それでダビデは彼らの前で気が違ったかのようにふるまい、捕えられて狂ったふりをし、門のとびらに傷をつけたり、ひげによだれを流したりした。
 アキシュは家来たちに言った。「おい、お前達も見るように、この男は気が狂っている。なぜ、私のところに連れて来たのか。私に気の狂った者が足りないとでも言うのか。」第一サムエル21:13~15

 ついこないだ、ゴリアテと戦った時には、「この割礼を受けていないペリシテ人は何者ですか。生ける神の陣をなぶるとは。」と言って、非常に勇敢にたたかったのに、その彼は、そのペリシテ人達の前で、非常に恐れて、気が狂ったふりをして、追い出されました。

 自分の国の王からは命を狙われ、神様の民からはささやかれ、敵国に取り入ろうとしたのにかなわず、恐れに満たされて気が狂ったふりをして追い出され・・・

 その帰り道は、どれほど恥ずかしい気分だったことでしょう。穴があったら入りたい、どこに帰るにも行き場所すらない。

 しかしその帰り道歌った歌が、この詩篇34篇です。

「私はあらゆる時に主をほめたたえる。私の口には、いつも、主への賛美がある。
 私のたましいは主を誇る。貧しい者はそれを聞いて喜ぶ。
 私とともに主をほめよ。共に、御名をあがめよう。」詩篇34篇1~3節

えええ?変な感じです。その帰り道、ダビデは賛美に満たされて、この34篇を歌いました。

 彼は、色々な望みを失いました。サウル王の側近の家来だった職を失い、サウルの娘だった妻は引き離され、別の男性に嫁がされ、命を狙われ、家には帰れず財産を失い、彼が信じて頼りにしていた神様を礼拝しに行くこともできず、人々からは陰口をささやかれ、彼が神様を誇りとして戦った敵であるペリシテ人には、取り入ろうとして失敗し、その彼らの前を気が狂ったふりをして追い出され、行き場所のない帰り道。

 彼の口からは全て失ったのに、賛美があふれ出てきました。いや、それまで望みを置いていた全てを失ったからこそ、本当の望みである神様を見る事ができるようにされました。私たちが持っているものによらない、ただ一方的な神様の恵みを、神様は、彼に体験させたのです。

 一切を失ったように見えるダビデは、この神様の恵み、神様の愛を、その状態の中で経験したのです。だから貧しい者は幸いなのです。

 私たちが持てる全ての物は、あらゆる機会に失われます。天国まで持っていけるものは一つもありません。しかし、神様は、そのような私達に恵みを施し、救いを与えて下さるのです。永遠になくなる事がない、天国に続く命を、お与え下さるのです。物のあるなしで人は幸せになりません。私たちを愛し、私達に喜びをお与え下さる神様が、私たちに真の幸せをお与え下さる。存在の根底を支える方が、私たちを救いあげて下さるのです。それに伴って、必要なものをも全て備えて下さいます。

 この神様に愛されている現実に、ダビデの心の目が開かれました。それで彼は賛美に満たされ、神様をほめたたえたのです。

 色々なものを失った人にお勧めしたい。この神様が愛して下さっている、その現実に目を留めていただきたいのです。私達を、永遠に失われる事のない存在とするために、神様はイエス様の命を下さいました。新しい一歩をここから始めてみて下さい。これは神様のプロセスです。全てを所有しておられる神様が、あなたを導いて下さいます。その中で、きっと、神様への心からの賛美が、溢れてくることになるでしょう。

十字架土気.jpg
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